招請講演会       永井美由紀

14回夏大会の講演で講師としてお招きしたのは,韓国富士ゼロックスの高杉暢也氏であった。韓国富士ゼロックスは,元々日韓半々のジョイント経営であったが,昨今の経済危機の影響を受け,今現在は100%日本資本という経営形態を取っている。氏は,その事と関連付けて何故,先ず韓国が経済危機に落ち込んでからなかなか脱却しきれないのかについて。また,これからの韓国会社経営の指針としての氏なりの構造調整を示すに辺り,提示されたのが,既存のGNP体制をGDP体制に変換しなければならないという事であった。具対策として,多国籍資本の国内資本への投資・借款を導入する事によって導入する事によって、国内の所得と雇用を創出する事を挙げられた。また,悪習として根付いてきた賄賂問題の払拭についても言及された。
 次に,産業の構造調整を示すに辺り,提示されたのが既存の重厚長大型産業形態から軽薄短小型産業へ転換を図り,その上で新産業を開発する事を策として提言された。先ず,現状の問題点として韓国の人々が目に見えない過程やサービスを重要視しないという事を指摘された。そして,無条件で一生懸命働くという事を国民的概念として根付かせる事をこれからの策として挙げられた。
 最後に,企業の構造調整として,日本における”忠”精神と韓国における”考”精神の比較を通じて、氏が問題視されたのは,韓国においては会社の中での信頼関係と言える”忠“が足りないと指摘された。それによって,経営の不透明性が生まれるという事も指摘された。
 3方面にわたって,これからの韓国経済における改善策を挙げられたのだが,私が聞いていると、氏は問題点としてその原因を韓国の民族性に全てを関連付けられているように感じられた。そして,改善策として日本の経営形態を模倣する事と挙げられているように感じ、全てについて共感する事はできなかった。