シンポジウム      山本ちとせ


 6回に渡る分科会議を終え、最終論文を書き終えた私達は江原道での生活に別れを告げ
ソウルに向かった。最終論文作成のため徹夜をした分科員も多く、そのため移動中のバス
車内ではほとんどの人が寝ていた。目が覚めるとなつかしい漢江が見えた。ソウルに戻って来た嬉しさとこれから始まるシンポジウムへの緊張感で複雑な気持ちになった。
 シンポジウムを行った場所は開会式と同じく国会議事堂である。シンポジウムは去年と同様にパネリスト形式を取り、壇上の机に分科員と韓日各3名のパネラーが着席した。まず両国の分科長が最終論文をもとにこれまでの分科会議で話し合った内容を発表した。その後パネラーがその内容に対する感想と質問を述べることになっていた。だが実際パネラーが自分の担当する分科の議題について勉強する時間が短かったため、パネラーから議題についての感想が述べられることは少なかった。パネラーの役割がただ議題について質問するだけならそれは、パネラー以外のメンバーとなんら変わりのないもので、その役割が充分に果たされているとは言えない。ほぼ徹夜で最終論文を仕上げ翌日すぐにシンポジウムに入るという日程上、他の分科の議題について勉強するのは難しいかもしれない。しかし今回は分科会の途中に全体分科会議が2回開かれており、他分科の状況はその時に把握
していたはずである。パネラーに限らず今回のシンポジウムで感じたことは自分の分科以外の発表に興味を示さない人が少なからずいる、ということである。これは他の分科員に失礼であるし、我々が学術交流団体を標傍する以上そのような態度は許されない。
 日程に余裕をもたせ、充分な気力を持ってシンポジウムに臨めるようにするなど、シンポジウムが形骸化しないための工夫が来年から必要であると思う。