日韓両国の安保問題について
〜自衛隊・米軍・竹島・北朝鮮を中心に〜
≪目  次≫

1.序  論

2.本  論
 1)日本の自衛隊の拡張について
 2)日韓両国の米軍に関する考察
 3)竹島の領有権について
 4)北朝鮮に対する両国の考え

3.結  論

1.序  論

冷戦体制が終結し、軍事の対立より平和と協力が重視される今日、なぜ国防と安保が重要視されているのか。「真の自主は銃口から生まれる」という言葉がある。これは世界が平和と協力、国家利益を重要視する現在でありながら、国家の国防は決して見過ごしてはいけない問題であるということを意味する。更に、日本と韓国の関係が過去に支配・被支配関係であり、隣の国であるためこの問題は切実な問題なのである。
現在世界は多様な利害関係で絡みあっている。その中でも国防は国家の安保を保証するための手段であるため、平行線をたどるしかない問題かもしれない。従ってそのためには必ず1回は論議されるべき問題であり、そこで我々は意義を模索しようとする。
第1分科は日本の自衛隊問題に重点を置き、日韓両国に駐屯している米軍問題、両国間に多くの論争があった竹島問題、日本において威嚇的存在になっている北朝鮮の問題を考察し、小さい範囲では日韓両国、大きい範囲では北東アジア地域での平和のため、日韓両国が進むべき方向について論議しようと思う。

2.本  論

1)日本の自衛隊の拡張について
自衛隊拡張に関する問題は基本的に日韓両国の分科員達が日本の軍事大国化に対して反対するという意見に同意した。
自衛隊の海外派兵に関しては日本側は日本がドイツのようにまだ太平洋戦争の責任を完全にとっていない状態であり、自衛隊が憲法に明示されている通り自衛、即ち自国に領土を防衛するための組織であるという理由を挙げて海外派兵に反対した。これに反して、韓国側の意見は2つに分けられた。1つは平和維持のための派兵は反対しないが国連の安全保障理事会の常任理事国に進出するための政治的な意図を持った派兵に反対するということである。2つは、自衛隊の海外派兵という現実自体の認識と警戒は必要だが、それを政治的な意図まで拡大解釈する必要がないのである。
現代国家で軍やそのような同じ性格を持つ組織は政治の影響力下にあると判断して、日本政界の性向について討議した。この問題は日韓双方で意見の相違があった。まず韓国側は定義づけた保守化について説明した後、社会党の没落で代表される進歩勢力の不在、日の丸・君が代の完全な復権、閣僚達の靖国神社参拝、改憲論議などを理由にして日本政界が保守化していると主張した。しかし日本側は、共産党を例に挙げて保守的な政党を牽制する勢力が存在しており、上記の問題についても反対している人達も少なくないという点を挙げて、韓国側の主張に反対した。第1分科は日韓両国の意見がお互いに違う理由として、分科員の国籍の違い、日韓両国の保守化についての考え方の顕著な違いがあるからである、と整理した。
日本の軍備拡張に対する周辺国の反応は大きく賛成国と反対国に分けられた。賛成国は米国と台湾、 反対国は中国とロシアであった。まず米国は、現在北東アジア地域でアメリカの役割に代わる国家を日本と考えており、急成長している中国の勢力を牽制するために日本の軍事拡張に賛成した。台湾の場合は中国と対峙状態であるため、日本の影響力拡大が中国の牽制に役に立つだろうという考えから賛成した。反対国の中で中国は尖閣諸島の領有権問題もあるが、それよりも北東アジアの主導権を握ろうとする意図から、日本の軍事力拡大に反対した。ロシアは現在国内状況が良くないため、主導権争いという理由より、北方領土(歯舞・色丹・国後・択捉)の領有権問題のため反対していると判断した。
第1分科は自衛隊の拡張に関する討議を続けながら、自衛隊の拡張に反対する考え方と、日本の政界には保守だけでなく進歩勢力の存在を確認した。そして日本は周辺強大国との関係を考えて、軍事大国にならないようだという日本側分科員の意見を受け入れながら、自衛隊に関する討議を終えた。

 2)日韓両国の米軍に関する考察
韓国と日本の両国に駐屯している米軍について論議した。会議を進めながら韓国と日本での米軍に関する考えはほぼ一緒であるのが分かった。
まず、在韓米軍は兵力は約2万7千名で、ソウル、東豆川(ドンドゥチョン)、釜山(プサン)、大邱(デグ)など韓国の主要な地点に分布しているのが分かった。反面、在日米軍は5万名ぐらいで、米軍の80%が沖縄に集中しているのが分かった。また、沖縄の面積の約20%を米軍基地が占めている。
では、なぜこのように沖縄に米軍が集中的に駐屯しているのか。地図で確認してみた結果、地理的位置上、朝鮮半島、中国、ロシア、東南アジアなどへの進出が非常に有利な位置に立っていた。この島の重要性は戦前と戦後の米国内での文書でも充分理解できる。
次に、在韓米軍と在日米軍によって発生する問題点について論議した。会議を進めながらその問題点が非常に似ているのが分かった。米軍の現地人に対する強姦、暴力、殺人などの凶悪犯罪問題、騒音、廃棄物などの環境問題がそれで、問題の処理過程で生じる不真面目さと無責任な行動などの問題がそれであった。
このような問題点は一回だけでなく繰り返して発生しているのにも関わらず、駐屯し続けている理由は何か。韓国の場合は、北朝鮮との対峙状況という特殊な状況と韓国の軍事力で在韓米軍が占めている比重を無視できないので駐屯しつづけており、日本の場合は韓国と同じ状況でないので米軍の必要性はないが、日本が米国の強い影響力下にあり、米国が日本を東南アジアへの進出と中国、ロシア、北朝鮮などを牽制するための前哨基地にしているので、在日米軍が駐屯し続けている。また、沖縄の米軍基地にはその地域の住民達が雇用されており、基地周辺の商圏に相当な利益を与えているため、基地の引き揚げに対して経済的なことを挙げて反対する理由もある。
このように米国は自分達の目的を達成するために、韓国と日本を利用しており、その内容を見ると横暴だと考えられる。しかし両国の米軍駐屯は続けられると考えられる。韓国の場合には統一後にも、中国やロシアの牽制のために米軍は駐屯しつづけるはずであり2000年8月9日付けの朝日新聞によると、金正日総書記は「統一後にも米軍駐屯は周辺情勢の安定のためにも必要である」と述べた。また日本の場合にも日本の前哨基地の役割は、続けられるだろう。そのため追放を主張をするより、駐屯状態で米国と問題点を解決していくべきである。しかしそのためには、米国はあまりにも大きくて強い影響力があるのでお互いに共感している問題をもっている韓国と日本が協力しあって解決すべきであると結論を下した。

 3)竹島の領有権について
  竹島は、韓国では獨島と呼ばれている。韓国での行政名称は慶尚北道鬱陵郡獨島里、日本での行政名称は島根県隠岐郡五箇村である。規模は岩礁2個に過ぎないが、この小さい岩礁2個で日韓両国の論争は過去から続けられており、これからも平行線をたどるかもしれない。ここでは日韓両国が主張している、お互いの根拠だけを提示する。
@ 日本側主張歴史的史料によると、1618年に幕府は伯耆国の大谷、村山家に下げ渡して漁場を開拓している。そして1905年閣議決定により、竹島を島根県に編入した。一方韓国では獨島という呼称が使われ始めたのは1881年で、建国後の1906年に正式に領有を宣言している。A 韓国側主張高麗王朝の時、鬱陵島に関する地理的認識が確認された。政府はこれを行政区域に編入し、官吏を派遣して地形と物産を調査した。李氏朝鮮王朝の太宗の時には、獨島に関する地理的認識が再確認され、太宗16年(1416年)頃から実施された刷還政策の実現のための行政権の発動が持続され、このため官吏を周期的に派遣した。また1693年と1696年に安龍福の談判事件が発生したとき、江戸幕府は竹島(当時鬱陵島に対する日本の呼称)、即ち鬱陵島が朝鮮領土に属するのを認め、その属島である松島(当時竹島に対する日本の呼称)まで朝鮮に属するのを認めた。
日本政府が確定的に鬱陵島と竹島が韓国領であるのを確認した事実は1876年にあった。明治政府の内務省が日本国の地籍を調査のために、島根県とその近くに存在する竹島(鬱陵島)という島に関する情報を照会したのがその始まりである。島根県は17世紀に大谷、村山家による竹島開拓の経緯を調査して竹島と松島の地図を添付して『日本海内 竹島外一島 地籍編纂方伺』という報告書を提出した。即ち島根県は竹島を鬱陵島の付属島としてみなしたため、一括してこれを取り扱ったのである。内務省はこの報告書以外に独断的に元禄期にあった『竹島一件』の記録を調査して調査してみた結果、この2島は韓国領で日本に属していないという結論を下した。
また1952年1月18日に朝鮮半島周辺に「隣接海洋に対する大統領の主権宣言(李承晩ライン)」を宣言すると、1月28日に日本側は抗議の覚書を発表し、2月12日韓国政府は竹島が韓国領であるのを再宣言し現在まで占有している。従って法的安全性を根拠にして韓国の領有権であるのを主張する。

 4)北朝鮮に対する両国の考え
日本と韓国では、北朝鮮についての意識の差がかなりあり、まずはこの問題について考えてみた。日本では、拉致疑惑やテポドンミサイルの発射、そして1999年の春に突然日本海に出現した不審船のことなどにより、北朝鮮に対して警戒心をもっている人が多い。一方、韓国では、かつては北朝鮮を敵国と考えていたが、南北首脳会談が行われ、少しずつ友好ムードになっている。このように日韓両国の北朝鮮に対する考えは対照的であるが、両国で北朝鮮に関する正確な情報があまり入ってこないため、あまり踏み込んだ議論はできずに簡潔に比較するにとどまった。
−南北首脳会談−
この問題でメインとなるのはやはり何と言っても南北首脳会談だろう。韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記が握手を交わしたのは本当に歴史的な出来事で、世界中の注目を浴びた。金正日総書記に対するイメージが好転したように思われる。この会談で、南北共同声明が発表され、統一や離散家族の問題、更に南北が経済協力をすることなどが盛り込まれた。そこで我々は主に南北の経済格差をどう埋めていくか。そして周辺国はどのように援助していけばよいのかを話し合った。
現在の北朝鮮の経済状況が深刻であることは言うまでもない。今年も100万トン前後の穀物の不足があり、配給も少なくなり、餓死者の数も相当なものと思われる。更に気候の面でも、寒冷であったり、干ばつが起きたりするなど、作物が育つには適さない環境であるということも事実だ。食料不足の傾向は1980年前後から見られていたというデータもあるが、その頃には、旧ソ連や東欧諸国、中国などがからの援助で補っていた。しかし、旧ソ連や東欧諸国が崩壊し、食糧難は深刻になっていったと言えるだろう。では、どうすれば、北朝鮮の経済が回復し、食糧難の問題も解決するのだろうか。その答えとして韓国側はやはり北朝鮮は同じ民族である韓国に援助を求めてくるだろうし、韓国の方も積極的に支援をしていくだろう。しかし、現在の韓国の経済力では北朝鮮を完全にフォローすることは無理である。そうなってくると、アメリカや日本、中国そしてロシアなどが協力して少しでも支援をしていくことが大切だという意見がでた。
一方日本側では、極端な飢餓状態にある隣国を助けるのは道徳的な立場から見れば当然ではあるが、残念ながら、今の日本と北朝鮮の間では、解決していかなければならない問題がいくつかある。それは、拉致疑惑や北朝鮮に帰国した日本人妻に対する冷酷な処遇である。さらには援助された食糧が軍にほとんど持っていかれるといううわさがある。このような問題があると、道徳的な理由だけでは援助が難しいように思える。問題を完全に解決するというところまで到達しなくても、せめて話し合いの場をもつことが必要なのではないだろうか。そうすれば、日本と北朝鮮の国交回復も次第に近づいてくるのではないかという意見がでた。
他には、北朝鮮は経済開放をしていくべきだという意見もでたし、今年1月にイタリアと国交を結んで、5月にはオーストラリアと国交を回復、そして7月にはフィリピンと国交樹立し、さらに今、他のいくつかの国と国交樹立のための協議が進んでいるとの情報もある。このように外交を進めていくことで、援助を確保し、経済を立て直していくことが狙いであるという鋭い指摘もあった。
文化的な面では、韓国の劇団が北朝鮮で公演を行い、その逆もあるなど、文化交流は少しずつ進んでいっているように思える。更に、2002年のサッカーW杯でも南北統一チームで、かつ平壌で2〜3試合を行うという話も出ている。この南北首脳会談は統一へ向けて一歩踏み出した段階であり、まだまだ問題は山積みである。しかし、南北間で文化交流が進んでいくことは両国の友好に大きく貢献することと思う。更に、日本も北朝鮮に支援していくことが大切である。そうすることにより、東アジアに平和が訪れてくるように思える。

3.結  論

我々は分科会議を進めながら相手の立場を理解しようと努力した。自衛隊と竹島の場合、自分の国の立場だけを強調するより、両国の意見を尊重しながら会議を進めた。自衛隊の拡張や竹島の領有権問題では予想通りお互いに違う立場を示したが、譲り合った立場で合意点を探した。
日本に駐屯している米軍は北東アジアの力の均衡のために、それから韓国は特殊な状況であるため必要性を認めた。しかし、米軍の駐屯によって両国に同じ問題が発生しているため、同じ立場に立って両国が協力すべきだという結論を下した。
北朝鮮問題は主に南北首脳会談と北朝鮮の経済を中心に話し合った。一言で結論を述べるのは困難であるが、当事者間だけではなく近隣諸国とも話し合いの場をもち、協力して援助をしていくのが良いという結論を下した。
よく日本と韓国が関連した問題では感情が先立ってこじつける傾向が強いが、今度の大会では客観的な立場で正しいことは認め、間違っていることは批判することが出来て分科員にとって十分な意義を持つ会議であった。
今後、日本と韓国は諸部門で問題を共有する関係になるだろう。日韓両国の問題は両国に限られた問題ではなく、北東アジア全体の安保に大きい影響を及ぼすため、両国は同伴者や協力者としてお互いに問題を解決すべきである。

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