目次 T序論U本論 1社説を通じてみた両国の新聞における報道姿勢
2日本のマスコミにおける対韓報道、韓国のマスコミにおける対日報道 3少年犯罪における実名報道論
4新聞と財閥 5新聞と政治権力 621世紀における新聞の在り方
V結論 |
T序論
☆日本人は韓国のことに関して無関心であると言われている。それに対して韓国人は日本に対して強い意識を持っている。このような両国民の意識のギャップはマスメディアに起因するといっても過言ではない。そこで、われわれは両国のマスメディアの現状を把握することによって、両国民の意識を探ることにした。様々なメディア媒体が存在する中で今回は新聞を取り上げた。それは世論を正確に反映する点、信頼性において最も支持を得ている媒体と考えるからである。
☆そして、民主主義国家の発展のためには健全なジャーナリズムの存在が不可欠であると考え、両国のマスコミの現段階における問題点を指摘し、解決策を模索してみた。
☆最後にインターネットの出現やマルチメディアの発達によって情報発信媒体が多様化するなか、これから新聞がどのように在るべきかを提案してみる。
U本論
1) 社説を通じてみた両国の新聞における報道姿勢
☆両国の代表的な保守的、進歩的新聞(韓国の朝鮮日報とハンギョレ、日本の読売と朝日新聞)の社説を比較することによって両国の新聞における報道姿勢について論議した。日韓両国において重要な意味を持つ北朝鮮、駐留米軍、ガイドライン法案三つのテーマを取り上げて社説の比較検討を行い、両国のイデオロギー的現状を理解しようとした。
☆北朝鮮関連報道に関して韓国の場合は朝鮮日報が大韓民国の理念的停滞性を強調しながら北朝鮮の安保体制の確立を主張しているのに対し、ハンギョレは終始一貫して民族主義的な立場から金大中政府の包容政策を支持している。日本の場合(朝日、読売ともに)は太陽政策に関する言及はあるが、直接金大中政権の評価に関する社説はない。その中身はガイドライン関連法体制の報道については韓国の場合は互いに憂慮しているがハンギョレはもっと強い語調で批判し日本の場合、読売は支持する立場だが朝日は平和主義的立場から反対の姿勢をとっている。
☆米軍関連報道にあたっても朝鮮日報は在韓米軍の正当性を積極的に擁護する反面ハンギョレは多少懐疑的な立場である。
☆駐日米軍の問題においても読売は極東の平和のためにも駐日米軍の必要性を主張している反面、朝日は平和主義的立場から市民の意思(沖縄県民)の重要性を強調している。全般的に朝日とハンギョレ、読売と朝鮮日報が似ている論調であることがわかった。
2) 対韓対日報道姿勢
☆対日対韓報道に当たってはまず絶対的に分量から大きな差を見せた。
☆韓国新聞の対日関連記事の場合政治、経済、文化、スポーツなどあらゆる方面にかけて多様に分布している。ただ韓国の新聞の対日報道の場合関連記事の量は豊かだったが、色んな事案にたいしては度がすぎるほど敏感に反応する側面があった。特に政治やスポーツ関連報道にあたっては多少感情的な表現があった。東京国立競技場であったサッカーの日韓戦での韓国側の勝利を「東京大勝」という表現がその代表的な例である。
☆韓国の新聞の場合対日関連記事の報道の比重が大きく全体的にかけて多様に分布していることは肯定的に評価はできるが、感情的な報道を自制してもっと冷静的に落ち着いた報道姿勢が要求されているという共通の見解を得た。
☆日本の場合テレビの対韓関連放送はセンセーショナルで一部偏った放送をするが、新聞は韓国に対し比較的に客観的な報道をしている。ただ日韓の間の親密度や日本における韓国の重要度に比べ多少情報の量が少ない気がするし、日本新聞社に韓国関連専門家や韓国に派遣される記者の数が多くないので多様な視角を伝えられない点が短所として指摘され、このような問題点に関する改善策が日本新聞対韓報道に要求されることに合意した。
3) 少年犯罪における実名報道論議
☆近年日本では少年犯罪が多発し、またその凶悪化が問題となっている。そこで、マスコミが少年の犯罪者に対しても実名を公表するべきだという主張がでてきた。賛成派の考えは次のとおりである。凶悪化が進む中、犯罪者の再犯を防ぐためにも、社会的制裁を与えるべきだとする。また反対派は名前の公表は少年の更生を阻害するものであり実名報道はなされるべきではないと考える。
☆基本的に日本の犯罪報道においては20以下の未成年には匿名報道をする、この点は韓国も同様である。
☆この論議に関して興味深い事件が起きた。2,000年6月21日日本の岡山県で高校生が金属バットで母親を殴り殺し、またクラスメート4人に重傷を負わせ、その後自転車で逃走するという事件である。最終的に少年は7月6日1000キロ離れた山形県で発見され逮捕された。この間マスコミは少年の顔写真、名前を伏せて報道した。しかし、この逃走中に再び罪を犯す危険性もあり、この場合犯罪者の素性を知ることは国民の知る権利に値するというものである。
☆我々はこのような事例も考慮にいれ実名報道の賛否について考えてみた。しかし、日本で注目を集めているこの論議は韓国においてはまだ問題化していないことがあり、日本と韓国の現状を把握し、比較することはできなかった。
☆しかし、我々大学生なりの考えを模索し、提案してみることにした。実名報道に関して、先述した犯罪者の逃亡時などは国民の安全を守る意味でも実名報道を行い、凶悪犯罪の再犯の場合は実名公表に踏み切るべきだという意見がでた。
4) 新聞と広告
☆広告主は新聞に対して影響力を行使する、この事実は資本主義社会ならば必要不可欠な問題であるという意見をだした。日本においてその広告収入は全体の約55%を占め、ある程度は広告主の影響を受けている。
☆韓国の場合、広告収入は全体の約80%を占める。財閥や影響力のある個人の資本によって運営された時期があり、特に登録自由化になった1988年以後は財閥が言論分野に進出し、主要日刊紙の大部分が財閥新聞になるという現状があったが、90年代の半ばに至って分離しつつある。所有構造の上からみると特徴は無いが広告主(財閥は新聞の最大の広告主)の影響が大きいことを話し合った。このような広告からの影響は両国も同じであることに合意し、これを解決するためには収入源の多角化を実現しなければならないという結論に達した。
☆収入源の多角化に関する論議は新聞の変容に関する分科会議で具体的に論議された。
5) 新聞と政治権力
☆政治権力が、その程度の大小の差はがあるが、影響力を行使していることを取り上げた。日本の場合は記者クラブにおける弊害を指摘し、それが自由な取材を妨げている現状があることがわかった。韓国側は歴史的背景によって官僚と言論の癒着的な性格が存在した。
☆私達はこのような問題点を解決するため、1)言論労働組合の実質的な活動の保障2)専門記者制の導入(専門教育の実施)3)記者自身の倫理、批判意識の確立4)第三の集団(ex市民団体)制度的活動の保障5)新聞社の経済的独立などが先行されるべきと結論をだした。
6) 21世紀における新聞の在り方
☆インターネットの発達によって新聞の紙媒体としての存在意義が問われている。新聞社が自らのホームページを持ち、記事を公開することによって、紙の読者が減ってしまうのではないかという疑問が持ちあがった。そこで、我々は21世紀にむけて新聞がどうあるべきかを模索してみた。
☆まず様々なマスメディアが乱立する中での新聞の位置であるが、速報性や影響力の点ではTVやインターネットに劣るものの、情報の信頼度、またなによりも情報を獲得する力=取材力の点では他のメディアの追随を許さない。
☆しかし、読者の紙媒体から他メディアの移行という時代の流れにそって新聞も変化をとげるべきであるという意見がでた。それは新聞社が無理に紙媒体に固執するのではなく、他メディアへの移行を図るものである。また、FAXやE-MAILで記事や情報を提供するサービスも行う。また経済的側面で新聞が生き残るために、発表手段の多角化するにつれて収入構造もともに多角化する。以上のように新聞社は取材力に裏づけされるコンテンツ(情報の質)を保ちながら、その発表手段はインターネットなど時代の流れにそくしたものに移行するべきだという結論に達した。
V結論
☆最初に我々がこの討議を始める前にもった疑問は新聞という媒体が21世紀を迎えても現在と同じ位相をもって新聞の役割を果たせるかに関する疑問だった。これはテレビとインターネットのような映像媒体などの技術環境の変化によって引き起こされたものともいえるし、あるいは徐々に文字化された媒体に対する興味,関心を失って行く若者によって引き起こされたともいえよう。しかし、私達第4分科は8回にかけて会議を進行しながら新聞という媒体はそれなりの問題点と限界性を持っているにもかかわらず、その伝統的な信頼性と特異性を失わない確信を加えたし、インターネットのような技術環境の変化も新聞の危機を引き起こすのではなく再跳躍機会を得られることを確認しました。環境の変化によって新聞は現在我々に慣れた紙という媒体だけではなく、インターネットやFAXやE-mail等出版手段の活用してより多く選択の幅を広げられる。
☆このように新聞が多様な姿をもって消費者にとってより身近な存在になるために新聞は今までに培った客観性と正確性、そして信用を失うことがあってはならない。このために討議から進行になった現在の新聞が抱えている問題点の解決が必要とされ、新聞がもつーテレビ・インターネットとは違うー存在意義をうしなってはいけない。
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