第2分科 分科長感想
分科長といっても日本側メンバーは私一人なので個人感想になる。
私たち2分科は歴史教科書をテーマに話し合いを行った。8回ある分科会議のうち、最初と最後は教科書問題全体のこと、2〜6回は具体的な歴史の出来事をテーマにした。
1回目の会議では教科書問題全体ということで「客観性」について話し合ったが、これが一番もめた。2回目からの話し合いをよりスムーズに行う為に「客観性」とは何なのか、その定義を考えようというのが1回目のテーマであった。そのために教科書は現在どういう状況にあって、これからどうあるべきなのかについての意見を言い合ったのだが、思わぬ問題が起きた。韓国側の中で意見が分かれてしまったのである。結果的に私たちは韓国側・日本側とするのではなく、4人の個人で話し合いをするという形をとった。本来、人はいずれかの国に属しているが、考え方は個人によって違うのが当然である。しかしながら歴史の問題になると、韓国人だからこう思っているはず、日本人だからこう考えているはず、と決めつけられやすい。私もそう思っていたところがあったと思う。この問題で私は歴史に対する考え方が韓国人同士でも違うことを体感したし、国にとらわれないで自由に意見を言う場が大切だと思った。
「客観性」の定義については最後の話し合いに持ち越されたが、ここでも揉めた。歴史教科書において100%の客観性(一般的に言う)はありえないと分かっている中、ではどのように定義するか。最終的に私たちが決定した「客観性」の定義は、「お互いの立場を理解してから、意見をより近くすること」である。一般的に言う客観性とは違うものである。ここに大きな意味があると思う。私たちが話し合いを通して決定した私たちの定義だからである。
分科会議を通していっぱい学ばせてもらった。2〜7回の分科会議でもなるほどと思うことが多々あった。実は大会前はこの分科会議を「戦い」ととらえているところがあって、相手の言うことに反論しなければという意識があった。だが時間が経つにつれて、ここはお互いが意見を率直に言って「学ぶ」場なんだなという意識に変わっていった。私たち2分科は揉めたがそれは各自が意見を率直に言ったからであり、結果的に相手に対する信頼感を高め、結束を強めたと思う。最後には私たちなりの「客観性」の定義を導き出すことが出来たし、報告書作成の時も驚くほどスムーズに行った。とても満足している。
そして論文に「大切なのは多くの情報と盛んな議論」と書いた様に、私たちが分科会議で話し合い感じたことを他の人に伝えて行きたいと思う。夏大会は終ったが、分科会議の意義はそこにあるように思う。
最後に、ソンヒ、ヘヨン、サンファン、どうもありがとう。 (阪本法子)

第3分科 分科長感想
「What is identity?」――3分科命題。韓国籍だが生まれも育ちも日本という在日コリアンの存在は日韓両国の架け橋となる存在となる可能性を秘めているといえよう。だが実際は多くの問題を抱えているのが実情である。その問題を解くキーワードが「identity」。彼らの意識はどう形成されるかを把握することで最善の解決策を模索しようとするのが3分科のアプローチ法だった。この哲学的命題に一つの答えはあるのか?血筋すなわち先天的要素から作られるのか?生活や社会環境という後天的要素の影響で作られるのか?そのバランスは?常に僕らは悩み続けた。けれども本当に充実した時間だった。なぜなら悩み考えているのが自分一人ではないということを、いつも肌で感じることができたからである。3分科全員が共に悩み、そして自分の考えを必ず口した。いつの頃からか、僕らは自分達の分科を「Dream Team」と呼んだ。メンバー全員の一体感が芽生えていたからである。僕が日韓学生会議という場に対して思い描いていた空間がまさに3分科の中にあった。
在日コリアンの問題を考えるときは在日コリアン本人の意見・意識すなわち主観的考察と、他者(日本人・韓国人)からの、その他の在外コリアンや在日外国人を視野に入れた客観的考察のバランスが必要となるだろう。しかし3分科には在日コリアン本人がいたわけではない。また参政権を考える際、いわゆる朝鮮籍の人にも付与するとなると、国交を結んでいない国の人間が政治に参加するという問題が付随して起こる、といったように議論全てが順調に進んできたわけではなかった。沈黙や意識のずれもあった。逆にいえば、在日コリアンに関する問題とは全てを一括して模索する手法では限界がある性質のものであろう。ここで僕らの自信作である報告書を見て欲しい。こうした問題の性質を無視することなく論を進めたつもりだが、読みとってもらえるであろうか?
僕らが様々な事例について考え、悩み、時には休憩を入れることで気分転換を図り、そして意見を何度も何度も交換する、この繰り返しで僕らはいつも全員で納得のできる答えを導き出すことができた。その時は決まって僕らの中で自然と拍手が沸き起こった。全8回の分科会議を効率よく進行するために一人2回ずつ、司会役を務めることが3分科のルールの一つだった。だが、会議中みんながお互いの意見を聞き、自分の意見を話すことができたので司会の仕事は最後のまとめのみに終止した。まとめに入る段階では、既に僕らは同じ考えを共有していたので、司会は確認をとる程度の存在だったといえよう。これは分科として非常に理想の姿だと僕は思う。誰かが一方的に仕切ることなく、全体で解決策を描く。3分科の最大の魅力、そして僕が本当に3分科で良かったと思う理由はここにあるのだ。
考えることに喜びを見出すことができた分科会議。Se-Jung、Young-Eun、Jiniそして通訳のジェヨンさん、本当にありがとう!  (江頭厚志)

第4分科 分科長感想
第4分科は日韓の新聞ジャーナリズムに関する問題を扱った。国際関係、特に日韓関係においてメディアの果す役割は大きい。日韓の間では未だに多くの偏見や誤解が存在し、真の友好関係に支障をきたしている。すべての人々が我々のように互いに顔と顔とを合わせ、友好関係を構築できるのなら問題ないが、実際はそうはいかない。そこで、世論の反映の場であり、また人々を啓蒙する役割を担うジャーナリズムの真価が問われてくる。だからこそ我々は日韓両国のジャーナリズムにおける問題点を探り解決策を模索していこうとした。
第一回目の分科会議でこれからの八回をどうすすめていくかを話し合ったとき、まず大きな壁にぶつかった。中間論文や最終論文において、日本側と韓国側の意思の疎通がうまくいかず、討議する内容が不足する事態に陥った。韓国側からの提案として両国の代表的な進歩的・保守的新聞(韓国のハンギョレ・朝鮮日報、日本の朝日・読売)の主張を比較検討する、このテーマだけがお互いが十分に準備できたものだった。我々はその場でテーマを決めることにした。これは必然的に資料や参考書、また事実に基づいた客観的知識の不足を意味した。提出された討議テーマは対日・対韓報道、権力とマスコミ、広告とマスコミ、実名報道論議、インターネット社会における新聞の在り方、以上のテーマを即席で討議することになった。
確かに準備不足の感は否めない、しかし、今ある知識で我々はなんとかこの分科会議を形作っていこうとした。しかし、以上取り上げた話題は日本と韓国がそれぞれに抱えている問題であって、直接日韓の関係にかかわるものと言えば対日・対韓報道についてのみであった。つまり、必然的に議論をぶつけたり、また両国間で意見が衝突することも少なくなる、そして実際もそうだった。ただ、そうしたなかでも、現在マスコミに関して両国が抱えている問題を明示化し、状況把握することに意義を見つけようとした。
実名報道に関しては少年犯罪が激増のため、今日本で活発に論議されているが、韓国ではそうした未成年者の犯罪が稀有なものであるらしく、実名報道論議が存在しないということを知り、テーマとしては的外れになったものの、そのような社会事情を知ることができた。
第4分科では各問題に関してそれぞれ結論をだしていったが、やや理想論に終止したところがあるが、両国のマスコミの状況把握ができただけでも意義があったと言えるだろう。  (本岡義孝)

第5分科 分科長感想
もともと僕は、この分科ではなかった。あまり、ジェンダーというものについて関心がなかったのだ。歴史関係の分科をやるつもりだったのだ。歴史というテーマにおいて1番問題なのは、日本側と韓国側のイメージのギャップである。日本人の無関心さが、どれだけ多くの韓国の人々に不愉快な思いをさせているのだろうか。しかし、ふと気付いた。この事はジェンダー問題でも言えるのではないのだろうかと・・・。今の現状は、男性があまり女性の立場というものを考えず、無関心であるのではないのだろうかと。それが、女性につらい思いをさせていることがあるのかもしれない。そう思い僕は5分科ジェンダーに参加する事にした。
これは、結構多くの人に言えるでもあると思うのだが、僕にとってジェンダー問題といっても正直まだあまりこれといって自分に関係があるわけではない。学生という立場では結婚している人はほとんどいないだろうし、社会にも出ていないので実感する機会がないのである。当初は、日韓の歴史を通じたジェンダー問題ということだったのだが、結局は日韓のジェンダー問題に対する意識の違いについて話し合う事となった。
実際に調べてみると、案の定社会的な現実問題として男女問題が存在し、女性・男性ということだけで違う扱いがされている現状も知る事が出来た。特に専門職などでの女性の割合は最近増えてきたと言っても10%にも満たないのである。また、賃金も男性の80%〜60%なんて事もあるようである。一方的に男性が悪いという事ではなく、女性・男性の意識的な問題が1番重要である、ということで話しあいが行なわれていった。テーマが広がりすぎて、深く進んでいかなかったのが、上手くいかなかった要因の一つであった。今やるとしたら、「ジェンダー問題の解決の為に出来る事」が1番適したテーマだと思う。5分科の分科会議の雰囲気はというと、あまり議論っぽくならなかった。なんといっても長い分科会議の進め方を経験している2年目の人がいなかった事が大きかった。それと、日本側は男、韓国側は女と、偏ったメンバー構成だったのも良くなかった事の1つだろう。
5分科をやり終わって、間違いなく第15回の5分科として経験した事はいつまでも心に残るだろう。確かに、反省しなくてはいけない事もいろいろとあった。しかし、それはまた繰り返さないようにして行けば良いのである。それよりも、ジェンダーという事に関心を持ったのが、個人的には1番良かったことだと思う。今回勉強した事が今回限りになるのではなく、勉強し続けて行かなくてはいけないという責任を1つ背負った。1男性として、心から男女平等になったと言える日がすぐ来る事を期待している。  (篠原道雄)

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