絵に描いたようなしあわせ?ならそれを描いて見せてよ この画用紙に
「ロマンスは死にましたわ」とワイルドの童話の中で呟く花火
鏡などない森の奥でその世にも醜い小人 楽しく暮らす
退屈な王女は何か面白いものを見せよと家来に命じた
その小人森から無理に連れ出され王女の退屈しのぎにされた
その小人鏡に映るその世にも醜い者の存在を知る
その世にも醜いものが他ならぬ「自分」と知ってしまった小人
衝撃は小人の小さなその胸の鼓動をすっかり止めてしまった
動かなくなった小人を見て王女退屈のあまりあくびをもらす
「わたくしのところに連れてくるものは心臓のないものにしなさい
あの色は今日という日のこの時間だけに見られる夕焼けの色
ブルブルと電気毛布にくるまって母になる日を怯えていた夜
真冬日の回転木馬人影もなくてから空(から) 空(から)空(から)空(から)回る
桃色の色紙だけで鶴を折り真冬の空に放してみたい
桃の木の散る直前の花びらの血のにじむような深い桃色
この街にいるはずもないあの人に似たような人を探してしまう
勝ち誇り笑うあなたの足元に踏みにじられた青白い薔薇
水色がなくなったので桃色で空を描いたらほめられた頃
兄弟で埋めたツバメの子は今も葡萄の種といっしょに眠る
見切り品売り場で買った半額のりんごの乾いた味の切なさ
今もまだこの胸に残る真っ青な五月の空のような思い出
色褪せぬことのないよういつまでも完全密封させたい想い
ジグソーの最後のワンピースのようにぴたりと決まる言葉を探す
死に至る病が絶望だとすれば希望は死から遠ざかるもの?
流れ星の早さに間に合う願いなどたぶんこの世に存在しない
そうやって君は小さな王国のあるじで一生終えるがよいさ
君のこと思い出したいそのためにだけに聴いてるエリックサティ
いとおしいのは君よりも君のその首筋にある深い傷跡
どうやって大切にすればよいのだろう どこにあるのかわからぬ心
喜んでもらえることはなんだってするさ別れること以外なら