ぶどうパンなしでも
さみしくて
哀しくて
どうしようもないので
袋の中の
ぶどうパンを一個
かじってみた
ほのかなぶどうの
甘さが
心の中に
ふんわり
ひろがった
でも食べ終わると
また
さみしくて
哀しくて
どうしようもなくなった
それで
袋の中の
ぶどうパンをもう一個
かじってみた
またほのかな
ぶどうの甘さが
心の中にふんわり
ひろがった
でもそれを食べ終わると
また
さみしくて
哀しくて
どうしようもなくて
ついつい
袋の中の
ぶどうパンを・・・・
もう一個もう一個と
食べ進んでいくうちに
ぶどうパンは
最後の一個になっていた
私は、ため息をつき
意を決して
最後のぶどうパンにも
手をかけた
でもね
へんなの
食べても
食べても
ぶどうが出てこないの
そうなの
なんたる奇跡!
最後の一個は
ただのロールパンだったの
まぎれこんでいたのね
本当の偶然
私は、思わずふふふと笑った
得したのか損したのか
よくわからないままに
笑いつづけた
こんなことって
めったにないよね
なんだか
ふふふ
なんだか
ははは
気がつけば
ぶどうパンなしでも
大丈夫になっていた