午前零時十五分の瓢箪山駅の改札口で
牛乳瓶の底よりもさらに分厚い
メガネのレンズの下の
小さな目小さな目を
大きく大きく見開いて
父は娘の姿を探す
娘の姿を見つけると
父は安堵でいっぱいになる
「おおいここやここや。はよ乗り、はよ帰ろ」
父の愛車の自転車の荷台には
不器用に括り付けられた座布団
一枚
「大変やったなあ。今日もバイトご苦労さん。寒いことないか?足はさまんようにな。ほな行くで」
「おとん。いつもありがとうね」
娘は小声でそっとつぶやく
「おとんはやめて。パパやがな、パパ」
そう言い父はペダルをこぎ始める