こちらで取り上げる写真は
「ネコ・パブリッシング グランプリモデリスタ」
から、特別に許可をいただき、掲載しております。
ご協力、有難うございました。
したがって、無断転用は一切できませんので、よろしくご理解ください。



「現代F-1のエアロパーツ」



A.フロントウイング・・・

文字どおり、「前のウイング」です。
ウイングの前後長が車体中央部は短く、
外側が長くなっています。 
    これは、車体外側にいくほど、ダウンフォース
(車体を空気で路面に押し付ける力)
が、弱くなるため、それを補うため。
中央部は短めにして、車体後方への気流を考えているためです。
フェラーリなどはもっと複雑な形をしていますね。




B.翼端板(エンド・プレート)・・・

フロントウイングの端っこについている板です。
こいつも最近は複雑怪奇な形をしていますが、
それはフロントタイヤ前方の乱気流を積極的に車体の外側に
吹き飛ばすためでしょう。 ここで発生する乱気流は車体後方まで
影響しますので。



C.バージボード(ディフレクター)・・・

これまた複雑な形状です。
 回転するフロントタイヤ後方では複雑な乱気流が発生します。
またフロントウイングで切り裂かれた空気も、
乱気流を発生しています。 それらを、車体の外側に
吹き飛ばす役目をしています。 ただし、直後にラジエーターが
ありますので、冷却用空気の確保のため、バージボード後部は
低くカットしています。
このバージボードはチーム(マシン)によって、色々な形状があり、
穴が開いているもの(車体内側よりのキレイな流れの空気を一部、バージボード外側
に流して、外側の乱れた空気に勢いを与えて、フロントタイヤ直後の
乱気流を積極的に車体外側に吹き飛ばす)や、
溝がついたバージボード(車体中央寄りのキレイな空気の流れ道を
作ってやり、乱気流を車体外側に吹き飛ばす、または乱気流が
路面近くでバージボード内側に入り込むのを防ぐ)があります。



D.溝つきサイドポンツーン・・・

サイドポンツーン(ラジエーターなどを納めてある、コックピット横の張出し部分)
の下部に前後に溝を入れているマシンがあります。 
これは車体前部から後部に流れる空気の通り道で、
ここを流れる気流がカーテンの役目をして、サイドポンツーン側面から、
気圧の低い底面に流れようとする空気を制しよう、という考えです。



E.コークボトルライン・・・

サイドポンツーンが車体後部に向かって絞り込まれていて、
車体上部から見ると、コーラのビンのように見えることから、
「コークボトルライン」と呼ばれています。 ただし、現在は車体上面に
色々な空力装置が設置されているため、見えにくいですけど。
この「コークボトルライン」の役目は、リアタイヤ前方の高圧の気流を一気に車体後方に
流すことです。 また、リアタイヤと車体の隙間(スペース)が広ければ広いほど、
気流が高圧、高速のまま後部に流れますので、車体下の空気を引っ張り出してくれます。
2002年、フェラーリはギアボックスを極限まで小型化し、ここのスペースを可能な限り
広げ、車体全体のダウンフォースを増やしました。



F.フロア・・・

回転しているリアタイヤが空気を車体下に巻き込むのを
防止する役目を持っています。
リアタイヤ前方の気流は高圧の上、タイヤ表面に引っ張られて、
車体下に流れ込もうとします。
しかし車体下はダウンフォースを発生する低圧の気流があるため、
ここに高圧の気流が入り込むと一気に、ダウンフォースを減らしてしまいます。
 ですから、タイヤとの隙間は出来る限り狭い方がいいことになります。



G.フィン・・・

リアタイヤ上方に気流を流すことにより、
タイヤの回転で空気が車体前方下に巻き込まれるのを防ぐものです。



H.リアウイング・・・

一番上にある「翼」はそれ自体でダウンフォースを得るもので、
下についている「翼」はリアデッキから流れてきた気流を受けて
ダウンフォースを発生させながら、「翼の下」を低圧にして、
車体下部(リアディフューザー)から吹き出す気流を引っ張り出す役目もあります。



写真では見えない「リアディフューザー」・・・

車体後ろの底面を跳ね上げることで、車体下を流れてきた気流の
流速を上げて低圧化させ、ダウンフォースを発生させます。
ここの「車体下からの空気の出口」が大切で、ここに邪魔物があると、
気流は勢い良く吐き出されず、ダウンフォースを発生させないばかりか、
「リフトフォース」(車体を持ち上げてしまう力)を発生させてしまいます。
またこの「リアディフューザー」の角度も重要で、あまり急激に立ち上げると
空気が剥離してしまい、充分なダウンフォースを得ることができなくなります。


※なお、真ん中(リアウイング下)がヤケに大きいのは、
後ろ向きでクラッシュした際、事故の衝撃を吸収して
ドライバーを保護するためです。


I.ウイングレット・・・

「G」のフィンと似たような役目を持つパーツです。
断面がウイング状をしていることから多少のダウンフォースも発生しているでしょう。
 またはウイングレット下面を流れる気流によって
「G」のフィンの役目を助けているかもしれません。


J.インダクションポッド・・・

エンジンへの吸気口です。
 ただし、空力的に考えると、できればこれはない方がいいはずです。
なぜなら、これがなければ、リアウイングにキレイな気流をストレートに流すことが
できるからです。 ですから、最近のF-1マシンは
この「インダクションポッド」の形状も充分に考え、
リアウイングに向けて、急激に低くなってきています。
では、なぜ、この「邪魔」なインダクションポッドが必要なのか?
それは「ラム圧」という気流の圧力で、エンジンが多少パワーアップするからです。
「空気によるターボチャージャー」というとおおげさですが、
このインダクションポッドのおかげで
数%、パワーアップすると言われています。 
もちろん、その開口部の形状も充分に研究されていますが、
まだまだ研究の余地があるそうです。
理論上は「まん丸」が一番いいらしいのですが・・・。
現在のF-1エンジンは900馬力とも言われています。 
900馬力の5%でも45馬力!です。



K.ガイドベーン・・・

「耳」とかとも言われています。
 写真では見えにくいですが、インダクションポッドの斜め下左右にある、小さな板です。
 ドライバーのヘルメットとインダクションポッドの間付近の空気は高圧になり、
横に飛び出そうとします。 横に飛び出す気流は空気抵抗を増加したり、
リアウイングにキレイな気流が当たらなくなったりします。
そこで、このガイドベーンでエンジンカウルに沿って気流が流れるように
空気の流れをコントロールしています。







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