久遠の絆〜再臨詔〜











Sunny Days
















太祖降臨を阻止し、神剣の守護者として登極してから、三ヶ月が過ぎた。
冬の石舞台の上で俺と万葉は、愛を誓い合った。
悠久の時を経て、俺達は漸く結ばれたのだ。
螢だった時の万葉、綾だった時の万葉、澪だった時の万葉。
鷹久だった時の俺、真之介だった時の俺、信吾だった時の俺。
出会ってはすぐに別れが訪れて、俺達の愛は何時も死によって、無惨に引き裂かれていた。
だが、それももう終わりだ。
俺が神剣の守護者として登極し、神となり万葉と夫婦神として、俺達は暮らしていた。
・・・のだが、栞と沙夜は未だ諦めていないのか、度々俺が一人の時に声を掛けてくる。
そして、俺は現在逃げている途中である。
栞と沙夜に追いかけられ、学校中を逃げ回っており、3年に進級してからはこれはもう、日常茶飯事と言っていいだろう。

「だぁぁぁぁっ!! いい加減にしてくれ!!」

叫びながら、俺は屋上へと逃げていく。
無論、そこで万葉と一緒に弁当を食べるためだ。
手作り弁当を食べて、万葉と語らう。
これ程までに、ほのぼのとした幸せもイイモノだと、俺も万葉もそう思っている。
しかし・・・汰一は汰一で、何かたまにぼ〜っとしており、時折俺の事を恋する乙女風に見つめてくる。
まさか、な?
と、考えながら走っていると(凄いコトしてるが、一応俺は神様だからな)、薙がいきなり現れた。

「ぱぱーーー!!」

止まることが出来ず、天野先輩・・・いや、薙とぶつかった。
押し倒した感じになってしまい、俺は薙の胸に顔を埋めた様な形で、押し倒していた(?)
くっ、事故とは云え娘を押し倒すとは・・・って、そんなこと言ってる場合じゃねぇ!!
しかし、両腕を首の後ろに回した薙が、抱きしめてくる。
あぁ、キモチイイ・・・じゃなくて!!

「な、薙、やめろ!!」

「えぇ〜〜〜やだ!」

「ぐはぁ・・・」

「それに、時々ママにして貰ってるんでしょ?」

ぐふっ、何で知ってるんだコイツ?!

「お前、力を使って覗き見してたな?」

「・・・そ、そんなコトしてないよ」

「だったら、俺の目をまぁぁぁぁっすぐ見ろ、な?」

そうこうしている内に、栞と沙夜が追い付いてきた。
俺は薙をかかえると、秘技三段登りで階段を登っていき、屋上へと出た。
くぅ、股関節ドランカーになりそうだ!!
屋上へ出ると、隅っこの方に万葉が居て、俺の手の中にいる天野先輩・・・じゃなくて、薙を見て驚いたような顔を浮かべていた。

「あら、薙も一緒だったの?」

「やっほ〜〜ママ」

俺に抱きかかえられたまま、薙はニコニコと笑みを浮かべて、万葉に向かい手を振っている。
と、後ろから二つの靴音、俺は慌てて万葉の後ろに回り込んだ。
どうやら、万葉も悟っているのか、屋上の入り口を睨んでいる。

「たけちゃん!!」

「武くん!!」

屋上のドアを勢いよく開けて、栞と沙夜が現れた。
そして、俺は目の前にいる万葉の顔を見ると、ニッコリと笑みを浮かべる。
こ、恐い・・・恐すぎる!!
言いしれぬ威圧感、ある意味で太祖を越えた威圧感が、俺に襲いかかる。
万葉はニッコリと笑みを浮かべて、口を開いた。

「私の夫に何か用ですか?」

夫、という部分が酒に力強い。
おぉ、さすが万葉だ、愛してるぜ♪

『私も愛してるわ武さん(はぁと)』

恥じらう万葉を見て、俺はこう思った。
『くぅ〜〜〜やっぱ、万葉は可愛いナァ〜〜〜♪』
それを聞いていたのか、万葉は顔を赤らめながら答えてきた。

『や、やだ武さんったらぁ♪』

心話で会話している俺達を余所に、栞と沙夜は近付いてくる。

「さぁ、たけちゃん・・・いえ、鷹久お兄様、私のお弁当を食べて!!」

「武くん・・・いえ、鷹久私の手料理、食べてくれますね?」

遠い昔の人格(?)で2人は、弁当を片手ににじり寄ってくる。
あ、そう言えば言い忘れてたけど、現在俺と万葉は未来から遡ってきたのだ。
理由としては、救えなかった者達・・・吉川絵理と杵築悠利を救うためだったのだが、逆に俺が救われてしまった。
あの日、太祖との決戦の時に俺は、太祖と共に冥府へと堕ちていった。
気が遠くなる様な程、俺は身体を蝕まれていたが、万葉達に助けられたのだ。
後悔はしていない、栄光の転生である杵築も、未来(まえ)は救えなかった吉川を、救う事ができたから。
でもその結果として、冥府にいた間俺は休学扱いにされており、2年ほど留年しており現在20才で高校生をしている。万葉と栞と汰一、オマケに薙も留年している。
某KOFの主人公だった男と同じか・・・微妙だな。

「どうしたの、パパ?」

「ん、いや・・・あの時の事を考えてた」

「あの時って、ママや私達がパパを助けた時の事?」

「あぁ、万葉や薙にも、迷惑をかけたな・・・汰一や栞、沙夜にも迷惑をかけたよ」

俺が、薙に答えると万葉が振り返って、口を開いた。
やはり頬は紅い。

「そんな・・・迷惑じゃありません、それにあなたは私を黄泉から救ってくれた、だから今度は私の番と思ったから」

「万葉・・・」

「武さん・・・」

周りの視線もそっちのけで、俺と万葉はラブラブフィールドを作り出した。
やはり、1000年の想いは相当強く、薙を始めとして呆れ返っている。
そう言えば、未だに俺の万葉に告白しようとしている不届きモノが、居るらしいのだが・・・
天罰を与えるわけにもいかんし、かといって万葉を渡す気なんざ更々無い。
沙夜と栞はと言うと、羨ましそうな目で俺達を見ている。
因みに、屋上には俺達以外にも人はいるのだが、俺と万葉のラブラブフィールドを見て野次を飛ばしている。
女子の場合は「きゃぁ〜〜アツアツね☆」とか「私も万葉ちんと御門くんみたいな、熱い恋をしてみたいわぁ〜〜〜」などという声が、ちらほらと。
男子の場合は・・・主に、俺への恨みの声だったりする。
てめぇら、天罰を与えるぞコラ。

「それじゃあ、一家団欒と行きますか」

「そうですね」

「うん!」

栞と沙夜を無視して、俺が言うと万葉と薙も無視して、頷いた。
螢の時に、身体の中にあった神剣・天叢雲剣が、俺達の娘である薙だ。
太祖を倒す時に、必要な切り札だったのだが太祖に取り込まれ、太祖の糧となっていたが俺が救い出して今こうして、家族として一家団欒の時を楽しめる。
周りから見れば、あの天野先輩が子どもっぽく見えるだろうが、事実俺と万葉の娘と言って良い。 万葉の手作り弁当を食べながら、美人の先輩であり娘の薙と共に一緒に、弁当を食べる。
くぅ〜〜〜幸せだ〜〜〜!!
太祖も倒せたしもう、人として暮らしても良いくらいだ。

「武さん、どうしたんですか?」

「ん、いや何でもないよ。 今日のメニューは?」

「武さんの好きな物で固めてきました、どうぞ」

俺は万葉から、弁当箱を受け取って蓋を開ける。
おぉ・・・どれもこれも旨そうだ!
俺は弁当をがっつき、万葉は笑みを浮かべてそれを見ている。
因みに、背中には栞と沙夜の視線が突き刺さっている上に、周りからの男子の視線が滅茶苦茶痛い。
正直言って、俺の周りは美人だけと言っていいだろう。
恐らく、この秋津高校の美人所を独り占めしている状態なのだ、無理もない。
妹派に受けの良い栞。
マンツーマンで授業して欲しい教師NO.1の沙夜。
彼女にしたい美人(俺の妻なのに・・・)NO.1の万葉。
そして、オカルト研究会の美人部長の天野先輩(俺の娘薙)。
確かに一人除いて、全員が美人だ、しかも高レベル。

「ちょっと、たけちゃん・・・一人除いてってどういう事?」

「ん? 何故、俺の心の中の台詞を知っている?」

「パパ・・・声に出てたよ」

「ぐはぁ! デロスランドシナリオの俺状態か!?」

周りを見ると、沙夜、万葉、薙は顔を赤らめている。
栞は怒り心頭という顔で、俺を睨んでいた。

「うきぃ〜〜!!」

栞が声を上げて俺に襲いかかってくる。
しかし、万葉にそれを邪魔されて呆気なく、ひっくり返った。
因みに俺と薙は、万葉の手作りお弁当を食べていた。
俺の後ろでは万葉と栞と沙夜が、睨み合っておりかなりの修羅場って居る。
う〜〜む、持てる男は辛いな。

「ねぇパパ、止めなくて良いの?」

「あぁ、大丈夫だろう。 万葉は一応俺の妻で、神なんだから栞や沙夜には負けないだろう」

俺達が結婚しているのではなく、夫婦神としてここにいるのだ。
まぁ、普通に暮らせるようになれば結婚するけどな。
と言うよりも、俺と万葉が付き合っているのは、周知の事実。
トイレ以外は何処へ行くにも一緒だからな。
それだけ、千年の想いが成就されて、嬉しいと言う事だ、うんうん。
それに、女同士の友情表現でもあるのだし・・・ま、俺に被害が及ばない内は良いか。
薙と弁当を食いながら、万葉達の三つ巴を観戦している。
魂奮り&魂鎮めの巫女と、神剣の天女の三つ巴・・・ある意味で、凄い光景だ。
バチバチと視線が火花を散らしており、何だか居たたまれない気分になってくる。
俺と薙はアイコンタクトで会話をした後、こっそりと屋上から抜け出した。
無論、万葉手作りのお弁当は持ってきている。
とりあえず人気の無い場所、中にはに逃げてきた俺達は弁当を食べ始めた。

「しかし、万葉たちも毎日よく飽きないよなぁ」

「そーだね」

俺はペットボトルのふたを開けて、一口飲む。
春の陽気・・・ポカポカとしてあったかく、眠くなってきた。
俺と薙はボーっとしていると、万葉が俺を探して二階に渡り廊下を歩いているのを見つけて、声をかけた。

「おーい、万葉〜〜〜!」

俺の声を聞いて、こちらを振り向いた万葉は、花のような笑みを浮かべると小走りで校舎の中に消えて行った。
すぐに一階の渡り廊下へと姿を見せ、小走りに俺達のところへと近づいてくる。

「こんな所にいたのね、探したわ」

「ごめんごめん、でもあの状況だったしさ」

「ごめんなさい・・・」

「別にいいよ、それにもうすぐ授業が始まるからそろそろ教室に戻ろうぜ。 薙も教室にもどれよ?」

「は〜い。 パパ、ママ、放課後に遊びに行こうね!」

「えぇ、わかったわ」

「じゃあまた後でね!」

薙はそういうと、俺達に背を向けて走って行った。
俺は軽く息を付いた後、万葉を見た。
長く艶のある黒髪、ハリのある肌は赤子のようにきめ細かい。
何度、万葉を抱いただろうか。
週末になるたびに、万葉の家に泊まりに行き、肌を重ねあった。
たまに、薙も泊まりに来てキングサイズのベッドで三人で寝たな。
窮屈で薙と万葉に抱き枕代わりにされて、寝辛いがそれでも慣れてしまえばなんでもない。
俺の視線に気付いたのか、万葉が俺へと顔を向けて、俺の顔をじっと見る。

「私の顔に何かついてる?」

「いや、やっぱ万葉は綺麗だな、と思ってさ」

「や、やだ、武さんったら」

「ハハハッ。 それじゃ、教室に戻るか」

「はい」

微笑みながら、万葉が答える。
手を繋ぎ、教室への廊下を歩いていく。
時折、こちらを見る視線が向けられ、俺達はその視線を気にする事無く歩いていく。
羨ましそうな視線と、嫉妬の視線が俺達に向けられていた。
まぁ、当然といえば当然かもな・・・万葉は俺と一緒に留年して三年だが、本当なら一流大学に進学できるレベルの学力を持っているし、秋津高校で最もモテる女子生徒なのだから。
以前、万葉に迫ろうとした同学年の生徒を万葉が返り討ちにしたと言う話は、まだ新しい。
俺が冥府で太祖に捕まっている時の事を高杉に聞いたのだが、俺とは別れたと言う噂で持ちきりで、万葉を狙うやからが続出したらしい。
それを悠利と高杉の二人が護ってくれたのだ。
感謝するぞ、悠利と高杉。
万葉が急に立ち止まり、口を開いた。

「武さん・・・」

「ん、なんだい、万葉?」

「ずっと・・・こうして居たいです」

「・・・じゃあ、午後の授業はサボるか」

俺はそういうと、万葉の手を引いて今来た道を引き返していく。
今までが今までだったし、こういう日々も良いかな?
俺はそんな事を考えながら、万葉の手を引いて歩いていた。
振り返ってみると、万葉が微笑んでいた。

「どうかしたのか、万葉?」

「え? あ、こうやって手を繋いで歩くのって、久しぶりな気がして」

「そうだっけ・・・?」

「はい。 武さんを助けてから、こうやってゆっくりした事が無かったですから」

「あ、あはは・・・ゴメン」

「フフフッ、それじゃあ、今度の日曜日にデートしましょう、それで許してあげます」

「それ位なら喜んで」

俺がそう答えると、万葉は優しく微笑んだ。
その顔を見て、名前を呼ぶ。

「万葉」

「なんですか?」

「幸せになろうな」

「はい」

力強い答え。
あぁ、そうだ幸せになろう。
千年も時が流れて、全てに決着がついたんだ。
大丈夫、俺達は幸せになれる、なぁ万葉?
春の暖かな日差しを受けながら、俺達は手を繋いでいた。



















































後書き
いや、結構古いゲームです、えぇ。
久遠の絆は儂が中3位に出てて、TOPとコレをどっち買うか迷ったけど、TOPを購入しました(笑
DCで久遠の絆〜再臨詔〜として発売。
んで、高3の時位にPS2で発売したんで購入、と言う経緯があります。
学生の時は、バイト面接受けても落とされてたんで、貧乏でした(死
卒業後の夏位に購入して、はまりました。
万葉萌え!(笑
ッツーワケで、久々にプレイして描いてみました。
本編の万葉トゥルーエンドをクリア後に、再臨詔編が出来ます。
本編の万葉はクールビューティって感じですが、再臨詔編ではなんって言うか、萌だえました(何語
うん、そんな感じ。
ネタバレ含みまくってます、気になった方は購入して見てはいかがだろうか、と進めてみる(ぉ
じゃ、終わり。










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