謎お起き姉・葵
ん〜〜〜よし、決めたぞ、葵姉のチョコを食べよう
俺は葵姉の持ってきてくれたチョコを、頬張った。
う゛・・・美味い!
俺の好みに合わせてくれていて、甘すぎないこの味・・・あぁ、葵姉のを食べて良かったぁ
チョコをアッという間に平らげるて、包みの紙に目をやると、一枚の白い紙があった。
俺はそれを、ブレザーの内ポケットに入れた後、うがいに行った。
流石に、甘い味が俺の口の中に残っていて、何回かうがいをして教室に戻り、授業を受けた。
授業中に俺は、葵姉の手紙を読んで思わず、赤面してしまった。
「むぅ・・・」
その手紙と同封されていたのは、葵姉の写真だった。
俺はその写真を嬉しく思い、生徒手帳に入れて胸ポケットに入れた。
学校授業が終わって、放課後、俺は真っ直ぐに家に帰り、葵姉の所へ行った。
葵姉の部屋のドアをノックして、中に入ると運悪く着替え中だったため、叩き出された。
着替えが終わり、葵姉が顔を出して俺を部屋の中に入れてくれた。
「着替えてるときに入ってくるなんて・・・・」
「ご、ゴメン、着替えてるとは思わなくてさ・・・」
「でも、栖桜ならいつでも・・・・」
「え、何か言った?」
「え、あ・・・何でもないわ」
頬を紅くして、葵姉はそっぽ向いた。
ん〜〜まさか・・・まさか、葵姉がこんなそぶりするなんて・・・
くぅぅぅぅ、可愛いぜ、葵姉!!
思わず抱きつきそうになったが、理性を保ち俺は抱きつこうとした寸前で辞めた。
へタをすれば、抱きついてたな・・・確実に。
・・・さっきの行動を考えれば、もしかしなくても、俺は葵姉の事を?
そう考えると、急に心臓の鼓動が早くなった。
顔が紅くなっていくのも分かり、居たたまれないと言う気持ちが大きくなってきた。
俺は、昨日の約束を思い出したので、それをダシに出ていくことにした。
「あ、そう言えば、今日約束があったから、俺行くわ」
「そう・・・デート?」
「んなわけねぇだろ、彼女いないのに・・・何か、アルファ・ルーベンスのカメラマンにモデルしないか、って言われてよ、その見学に行くだけ」
「栖桜・・・私も一緒に行きたいな・・・」
もじもじと、俺を見上げながら言う。
普段、こんな仕草を見たことがなかったので、スッゲェ可愛く思える。
よく見ると顔が真っ赤になっており、耳まで紅くなっていた・・・もしかして、葵姉って赤面症なのか!?
って、そんなわけねぇか。
俺はそんな事を少し考えてから、葵姉と一緒に行く事にした。
寒いので、俺は葵姉と手を繋ぎいで、ジャケットのポケットの中に突っ込んだ。
やっぱ、カッコつけすぎたかナァ・・・後々、後悔したがまぁ、これでもいいか。
振り返る人が多かった、葵姉は美人だしな振り返るだろうさ・・・・
でも、俺はルックスはダメダメだぞ、何で女の人が振り返るんだ、ワカラン
そんなこんなで、俺と葵姉はアルファ・ルーベンスのスタジオに着いた。
受付で、龍太郎さんの名前を出すと、あっさりと通してくれた。
「おや、ホントに来たのか」
「昨日約束したじゃないですか」
「アハハハッ、あまり乗り気じゃ無さそうだったからね。 あ、そこに座って、見ておきなよ」
俺達は龍太郎さんの指さした椅子に座り、龍太郎さんの仕事を見ていた。
お茶を飲みながら、モデルを見ていると葵姉が話しかけてきた。
「ねぇ、栖桜。 貴方もこういう事をするの?」
「わかんね、未だ考えてる所だし・・・」
「ふぅん・・・」
時々、葵姉が何を考えているか解らなくなる。
人の思考を読めるヤツがいたら恐いけどさ・・・
俺は横目で、葵姉を見てみる。
ショートヘアーの黒髪に、猫を思わすような瞳が、龍太郎さんの仕事を見ている。
俺の視線に気付いたのか、こちらを向いた。
「ど、どうした? 私の顔に何かついてる?」
少し顔を赤らめて、葵姉が俺に聴いてくる。
「い、いや・・・ちょっとな」
「う〜〜ん、青春真っ盛りなところ、ゴメンだけど、榊くんと・・・」
「葵です」
「葵さん、2人でモデルやってみないかな」
「「はぁ?」」
「いや、2人揃って、異口同音の言葉を発さないで良いからさ。 で、やってみないか?」
「え、でも・・・」
「まぁ、お試しの体験版と考えれば良いよ」
「ん〜〜〜どうする?」
「栖桜がするなら、私は良いけど・・・・」
「ん・・・してみようかな?」
「そうか、なら・・・衣装はどうする?」
「え、この格好のままじゃダメなんですか?」
「別に良いんだけど、それじゃあ君はモデルをする意味はあるのかい? モデルというのは、着た服を活かせて初めてモデルと言えるんだ」
「そうなんですか」
「ん、まぁさっきの言葉は、僕の持論だけどね」
「じゃあ、衣装を着てみます」
「そうかい? なら、ついておいで」
龍太郎さんはそう言うと、俺達を連れて衣装部屋へ移動した。
メイク担当(たぶん)の女性と、衣装担当(コレも多分)も一緒に来ているので、衣装を着たらその場でメイクするようだ。
俺と葵姉は衣装を物色・・・っつたら可笑しいかも知れないけど・・・して衣装が決まった。
葵姉は、チャイナドレスを着て、ガーターベルトに太股辺りまでのストッキングを止めている。
俺は、その葵姉の姿をみて少し、欲情しかけた・・・葵姉、何着ても似合うな。
で、俺の衣装はと言うと・・・葵姉がチャイナドレスなので、俺も中華系の服を着ることになり、ブルースリーの様な服を着て、ヌンチャクを持たされた。
葵姉は、トンファーだ・・・俺ら、コレで殺陣でもするのか?
「おぉ・・・2人とも似合ってるね、それじゃそこに立って、ヌンチャクとトンファー構えてくれるかな」
龍太郎さんの言うとおりに、俺はヌンチャクを構えようとしたが、ヌンチャクの使い方を知らないので構えようがない。
トンファーは楽なので良いが、俺はどーゆう構え方をすれば良いんだ?
俺がそんなことを考えながら、変な踊り(?)を踊っていると、龍太郎さんから指示が来た。
「榊くん、ヌンチャクを脇に挟んで・・・そうじゃなくて、持ってる方と逆の方を脇に挟んで・・・そう、で空いてる手を前に突き出して・・・あ、手はパーね」
色々と細かく指示が飛んでくる。
葵姉は、俺の後ろで左を真っ直ぐ向いたまま、トンファーを構えてカメラへと視線を送る。
その構図で一枚、二枚、三枚、と写真を撮って、再び構図を変えた。
持つ物はなくなり、今度の構図は葵姉は少し色っぽい構図になった。
長い髪を掻き上げて、うなじを見せる様な格好で、俺はそれを見てゴクリ、と唾を飲んだ。
で、俺は葵姉の真正面に立って、腰に手を回した状態で手をカメラの方へと伸ばす、と言う体勢だ。
何か・・・エロイ構図な気がするが・・・・まぁいいか。
それから数枚写真を撮り、構図を何度か変えて写真を撮った。
「いやぁ、やっぱり僕の目に狂いはなかったね、うん。 榊くんも葵さんも凄かったよ」
「そうですか?」
「うん。 あ、ちゃんと考えて置いてくれよ?」
「あ・・・考えてたんですが、俺、モデルやってみます」
「本当かい?」
「ええ、何か今日こう言うことやってて、楽しく思えましたし」
「そうかそうか。 でも、ああ言うことをやっているのは、僕だけだよ?」
「へぇ〜〜そうなんですか」
龍太郎さんがそう言い、俺は何故か妙に納得できた。
葵姉はチャイナドレスが気に入ったのか、持って帰りたいと言ったら、龍太郎さんは快く頷いてくれた。
俺達はスタジオを出ると、手を繋いで繁華街を歩いていた。
昼頃にここに入ったはずなのに、もう日が暮れていた。
「うぅ、さみぃぃ!」
「ラーメンでも食べていこうか?」
「あぁ、それ良いねぇ」
「栖桜・・・」
「何? 葵姉」
「私のことは、葵って呼んでね」
「う・・わかったよ・・・あおい」
「聞こえない」
「葵! これでいいんだろ?」
「うふふふ。 ねぇ、腕組んでいい?」
「好きにすればいいだろ?」
「じゃあ、遠慮なく」
そのまま、俺達は家に帰ってしまった。
何処か、嬉しい気がした・・・葵姉じゃなくて、葵とこうやって歩いていることが。
葵と恋人同士になった、と言うことが嬉しいんだろうな・・・・
その日から数カ月が経ち、俺は今、龍太郎さんのスタジオにいる。
今着ている服・・・黒い皮のズボンを履いていて、上は素肌の上に黒いレザージャケットを着ている。
水に濡れた髪を掻き上げ、流し目でカメラに視線を送る。
流し目をした途端に、ある一部から溜息のような物が聞こえてきた・・・葵、流し目なんて見慣れてるだろうに・・・まぁ、良いか。
俺は龍太郎さんの言うとおり、構図を変えてソファに座り、ジャケットを脱いだ。
「う〜〜〜ん・・・何か足りないな。 あ、そうだ、葵さん良いですか?」
「え、あ、はい!」
モデルをし始めてから、撮影の日になると葵は見学に来て、俺の姿を見ている。
葵も時折、こうやって俺とモデルをする事がある。
まぁ、大半が色気を重視するときにだけどな、葵が俺の股の間に座りもたれ掛かってきた。
龍太郎さんが色々と指示を出してくるので、葵は言われたとおりに動いた。
下半身はカメラを向いたままで、腰を捻り俺の胸元に葵は顔を埋めるようにして、カメラに視線を向けている。俺は、勝手に葵の腰に手を回した。
「ん、すおーくん、葵さん、そのままの体勢でお願いね、三枚〜六枚は撮るから」
龍太郎さんがそう言うと、シャッターを切りストロボが焚かれる。
葵はあの時のチャイナ服を来て、それに写っていた。
俺がモデルをやり始めたのも、ふとした事がきっかけだからな。
何が契機で人生変わるか分からない。
でも、これだけは言える・・・俺は今幸せだ。
葵と一緒に入れて、本当に・・・
願わくば、この幸せが永遠に続くことを・・・・