幼馴染で栖桜にゾッコンお姉さん・巴









えっと・・・ここは、やっぱり巴姉のを食べるか。
俺は巴姉の作ったチョコを、一つ口に放り込んだ。
ほんのりと甘く、それでいてしつこく無い・・・文句無しに、スッゲー美味い!
すぐに食べ終わり、俺は巴姉のチョコの包みを、ちゃんと保存した。
何か所帯じみてるけど、まぁ仕方ないか、仕方ないよな?
自分に言い聞かせ、俺は教室に戻った。
授業を受けていて俺は、ノートにホワイトデーのお返しの事を描いていた。
返すのは、巴姉と葵姉、冴姉に藤咲に柊さんでいいか、他の子達には悪いけど、俺の現在所持金ではこれが限度、全員にお返し出来るほどの金がない、と言うのが事実か・・・
俺は午後の授業をさぼり家に帰った。
薫さんはこう言うことはうるさくないので、俺は家のベッドに寝転がりゆっくりしていると、窓を叩く音がした。
何だ何だ、泥棒・・・じゃねぇわな、まさか巴姉か?
窓を開けると、予想したとおり巴姉だった・・・スゲェぜ、俺の直感。

「巴姉・・・何やってんだ?」

「え、すおーくんが帰ってきたところが、見えたからさ・・・」

「普通に玄関から来いっての・・・」

「いいじゃない、こっちの方が早いんだし」

何故、巴姉が窓をノックしたかというと・・・俺の部屋の窓についている屋根と、巴姉の部屋の窓についている屋根が、
近いからだ。屋根と屋根の幅は大体30cm、軽々と飛び越えられる距離だ。
ガキの頃はその屋根を伝って、巴姉の部屋に遊びに行っていたな・・・まぁ、今はもう行ってないけど、巴姉が時々、こうやって来るのだ。
巴姉は、窓から俺の部屋に入ると俺が寝転がっていたベッドに座った。
俺は床に座り、巴姉の顔を見る。
長い黒髪を先の方で結わえ、おっとりとした顔だが、それとは裏腹にスッゲーおてんばなのだ。
ガキの頃、無理矢理近所を引きずり回され、巴姉のイタズラは全て俺のせいにされた記憶もある・・・
そういや巴姉と関わると、かなり酷い目にあった気がするが、気のせいかな?

「そーいや、巴姉のチョコ喰ったけど・・・スッゲー美味かった」

「え、わ、私のを食べたの?」

「ああ、一番最初にね」

「そ・・・そう、なんだ」

お〜お〜巴姉のヤツ、耳まで真っ赤にしちまって・・・そんな恥ずかしいもんなのか?
考えてみると、こうやってしおらしい巴姉を見るのは、久しぶりな気がしないでもないな。
確か最後に見たのが・・・いつだ、俺が小学生の頃だったか?
うろ覚えだけど、確か巴姉が何か知らないが泣いてたんだよなぁ、何でだっけ・・・

「巴姉、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「ふぇ!? な、何?」

「えっとさ、確か俺が小学生4年生かそん位の時に、巴姉が大泣きした記憶が在るんだけど」

「えっと、それは・・・・」

「それは?」

「その・・・(は、恥ずかしくて言えない・・・)」

「・・・・・」

「忘れちゃった」

転けた、思いっきり転けた。
いつの間にか俺は立っていたので、思いっきり転けましたよ、巴姉!!
しかも顔面から、床にダイヴ、痛い・・・鼻血が出そうだホントに。
起きあがり、鼻をさすりながら巴姉の顔を見る。
少し眉毛が下がっている・・・嘘だな、覚えてるけど言いたくないんだな。
付き合いが長いため、嘘をついた時などのクセは知りつくしているため、巴姉が嘘をついているのが分かるってのも、何だよなぁ・・・
とりあえず、暇なのでゲームでもすっか
俺はPS2を取り出し、格闘ゲームをし始めた。
巴姉は暫くそれを見ていたが、やりたいと言ったので対戦でプレイする事になった。

「ぬぐぁ!? 巴姉、何でそんなに強いんだ!?」

「すおーくんが弱いだけよ」

鼻歌混じりで、コンボを決めてくる巴姉。
楽々と、13HITコンボを叩き込まれるので、既にライフゲージは半分までに減っている。
それに対し、巴姉の使っているキャラのライフゲージは、殆ど満タン。
何とか、一撃必殺技を決めようとするが返り討ちにされて、逆に一撃必殺技を叩き込まれた。
ぐはぁ・・・強すぎる

「巴姉、もしかして何回も俺のいない時に忍び込んで、コレやってただろ」

「うん、葵ちゃんと対戦してた」

グハッ、共犯者は葵姉かよ!
それから3時頃まで対戦をしていて漸く、巴姉と互角ぐらいになって来たのだが、それまでに30敗もしている。
何か哀しいぞ・・・ホントに。
あ、そーいや、昨日龍太郎さんのスタジオに見学に行く、ッテ約束してたな。
今は何時かなぁっと、丁度学校が終わった時間帯か、うっし、行くか!

「巴姉、俺約束があるから出掛けてくるわ」

「むぅ・・・浮気は許さないわ」

おい、誰が何時何処で浮気した、って言うか、浮気という言葉を使う関係なのか、俺達は!?
巴姉は少し笑みを浮かべ、立ち上がった。

「私も一緒に行く」

「はぁ?」

「だから、私も一緒に行くの☆」

ヌゴッ、マジか!?
龍太郎さんに事情を説明すれば、大丈夫・・・なハズだ。
とりあえず、ダメだと断れば、確実に泣いて駄々をこねるだろうな、分かりきった事だな、うんうん。
で、俺は渋々承諾した。
巴姉は何故か抱きついてきた。
おぉ、柔らかい感触が二つ・・・って、んな事を考えてる場合じゃねぇぞ俺!!

「巴姉、何故抱きつく必要がある!?」

「嬉しいときの感情表現♪」

そう言うと、巴姉は頬を擦り寄せてきた。
あぁ、巴姉の髪の毛いい匂い・・・じゃねぇって、誘惑されるな俺!!
何とか理性を保って、俺は巴姉をひっぺがす。

「抱きつかなくて良いからさ、早く着替えてくる様にな。 俺も着替えるから」

そう、俺は制服のまま巴姉とゲームをしていたのだ。
流石にスタジオに見学に行くんだ、制服のままじゃやばかろう。
巴姉は「覗きに来ちゃダメよ」とか言っていた、ホントに覗きに行ったろかコンチキショウ!
覗きに行ったところで、喜ばせるだけだろうと考え、行かなかった。
服に着替え、俺は巴姉の家の前で待っていた。
遅い・・・たかが着替えだけで、何でこんな時間が掛かるんだ。
う〜〜〜ん、巴姉の所へ行ってみるかな。
すぐに俺は巴姉の家に行ってみた、垣根を飛び越え玄関のドアをノックする。
それとほぼ同時に、巴姉が出てきた。
おぉ・・・大人の色気だ。
巴姉を始めとして、葵姉、冴姉達は化粧をしない、したとしてもファンデーションを薄く塗り、ルージュを付けるだけだ、それだけで巴姉達は色気を発するのだ・・・
う〜〜ん、女って恐い。

「あ、すおーくんゴメン、待たせて・・・どうしたの?」

「え、あ、いや・・・何でもない」

見取れていた、と言ったら何されるか分かったもんじゃないから、はぐらかしておく。
俺は巴姉に背を向けると、歩き出した。
多分、顔が紅いと思う・・・むぅ、あの巴姉があれだけ色っぽくなるとはな、化粧は凄い。
いや別に、化粧で色っぽくなったわけじゃないと思うが。
そんなこんなで俺は、昨日の夜、龍太郎さん教えられた場所に来ていた。

「ここか・・・」

「ねぇ、ここって、アルファ・ルーベンスのスタジオじゃない!?」

「うむ、そうだな」

「ここに何しに来たの?」

「見学。 ここのカメラマンに見学に来ないか、と言われてさ」

「ホントにぃ?」

「ホントだって、ほら行くぞ」

俺はさりげなく巴姉の手を握って、中に入っていった。
少し、問答になったが、龍太郎さんが丁度来て、俺達は中に入れた。
おぉ・・・スゲェなモデルが、たくさんいるなぁ・・・でも、巴姉の方が綺麗かも?
ちらりと横目で見てみる、俺の肩辺りが頭の天辺で黒髪が、スゲェ色っぽく見えるな・・・
俺達は上着を脱ぐと、龍太郎さんが用意してくれた椅子に座り、モデルの撮影を見ていた。
紙コップに注いだお茶を飲み、ふと巴姉を見てみる。
メイク担当らしき女性と、親しく話していた。
ん〜〜やっぱ、巴姉って人見知りしないな。
そこへ、龍太郎さんが来た。

「やぁやぁ、どうしたんだい。 彼女の方見つめちゃって」

「か、彼女ってワケじゃありませんよ」

「ん・・・なら、ここに来たとき手を繋いでたじゃないか、アレはどういう風に説明するのかな?」

「うぐ・・・そう来ますか?」

「アハハハッ、可愛いねぇ純情だねぇ青春してるねぇ〜〜」

「そうです、花盛りの高校生ですからね」

「あ、そうだ、モデルのまねごとでもしてみるかい?」

「はひ?」

「一度モデルを体験してみないか、って事さ。 それから考えてくれても良いんじゃないかな、例の話」

「まねごと・・・ですよね?」

「うん、してみるかい?」

「してみようかな?」

「よし、なら決定だね。 彼女と一緒に撮って良いかい?」

「巴姉が良いって言うなら良いですけど?」

「ほへ、私がどうかしたの?」

「いやぁ、榊くんにモデルのまねごとをさせようかな、と思ってね」

「へぇ・・・すおーくん、凄いじゃない」

「ん、まぁ。それで、巴姉も一緒にどうだ、って龍太郎さんがね」

「え、私もですか?」

「うん、どうかな」

「あ、えっと・・・すおーくんと一緒なら良いかな?」

「ぞっこんラブじゃないか、良かったね榊くん」

巴姉がああ言ったから、俺の顔は耳まで真っ赤になっているだろう・・・
スタジオのスタッフが笑っている、巴姉も耳まで紅くなっている。
恥ずかしいなら言うなよな・・・まぁ、恥ずかしいけど悪い気はしないけどさ。
そんなわけで、俺達は撮影のために衣装を借りる事になった。
黒い革のズボンを履いて、茶色い革のブーツを履き、上は何故か素肌の上に黒い毛皮のロングコートを着せられた。
巴姉は俺と対照的に、白いドレスを着ていて胸元から肩辺りは、薄い白い布で覆われている。
白のガーターベルトで同じく白のニーソックスを止めていて深いスリットから、覗くその足はかなり・・・いや、滅茶苦茶色っぽい。
例えるなら、色気120%チャージと言ったところだろう・・・意味不明な例えだが、それ位なのだ。
上は胸元が大きく開いていて、谷間が強調されている・・・俺に対しての当てつけなのか!?

「へぇ・・・ふたりとも、凄い似合ってるね。 予想以上だ」

龍太郎さんは、スタジオに戻ってきた俺達を見て、感想を漏らした。
そんなに似合ってるのか?
巴姉はこれ以上はない、と言うほど似合っているが、俺の方はそうは思えないなうん。
考える内に、巴姉はメイクを施された。
普段メイクをしていないので、メイク担当の女性は巴姉の肌を羨ましがっていた。
で、メイクも終えて俺は立っていた、片腕に巴姉を抱えて。
巴姉は嬉しそうな顔をしているが、それに対して俺は顔が紅くなっているはずだ、多分。

「えっと・・・榊くん、もう少し巴さんを抱き寄せて・・・巴さんは、右手を榊くんの頬に当てて・・・そうそう」

指示通りに俺達は動いた。
俺達は視線をカメラへと向ける。
シャッターが切られて、眩いストロボが焚かれた。
それから数回、この構図で写真を撮った。
何度か構図を変えて写真を撮る、と言って来たので俺達は龍太郎さんの指示にしたがった。

「榊くん、もう少し目つきを鋭くしてこっち見て、銃口をこっちに向けてくれる? 巴さんは・・・後ろから抱きついて・・・そうそう、そんな感じで」

何か、ワイルドっぽい気がするな、まぁいいか。
そのままモデルのまねごとが続き終わった時には、もう7時を過ぎていた。

「いやぁ、やっぱり僕の目に狂いはなかったね、うんうん。 あ、この写真僕の個展に使って良いかな、っていうか、使わせて」

「はぁ・・・もう、別に良いッスよ」

「良かった良かった。 あ、来週かそれ位までに現像してパネルにして、送るから住所教えてくれない?」

「あ、はい、わかりました」

俺達は龍太郎さんに住所を教えると、家に帰った。
寒かったので、俺達は手を繋いで家路についた。
やっぱ、俺は・・・巴姉の事が好きなんだな多分・・・いや、絶対に。
巴姉と手を繋いでいることが、嬉しく思えた。
それから、数ヶ月後・・・
俺は今、龍太郎さんのスタジオで専属のモデルをしている。
そんなわけで、俺は龍太郎さんのスタジオにいる。

「すおーくん、もう少し流し目っぽい視線を、そうそう」

俺は指示されたとおり、流し目っぽい視線を送ってみる。
キャーキャーと黄色い声が、ある一角から聞こえてきた・・・
俺のクラスメイトの女子が見学したい、と行って来たので龍太郎さんに許可を求めてみると・・・
「だいじょーぶだいじょーぶ、来る者拒まず去る者追わずって言うでしょ?」とのことで、見学に来ているのだ。
何か、同じクラスの女子に見られてると恥ずかしいぞコンチクショーッ!!

「すおーくん、少し休憩入れようか」

「あ、はい」

俺は衣装を着たまま、椅子に座るとクラスメイトの女子がよってきたが、その前に巴が隣に座り、もたれ掛かってきた。
う〜〜ん、化粧して無くても色っぽいぜ、マイハニー☆
・・・俺、性格変わったかな、変わってないよな・・・多分。
それを見て、女子達は巴に何か言ってきたが2、3何か言われるとすごすごと元座っていた場所に帰っていった。女の子って恐い・・・

「頑張ってね、栖桜」

「巴ちゃん、また一緒に写ってみる?」

「え、良いんですか、私みたいなシロート使って」

「だいじょぶだいじょぶ、君はシロートでもすおーくんと絡めば、凄いから」

「も、もぅ、龍太郎さんったらぁ!」

頬を赤らめながら、龍太郎さんの背中をバシバシと叩いている。
すぐに、衣装に着替えに行き巴を待っていた。
戻ってくると、紅い革のズボンを履いて、上も赤で統一した衣装だ。
それから、数枚ほど巴との絡みを写真に収めて、今日の撮影は終了した。

多分、俺は今幸せだろう・・・

巴と一緒に暮らし始め、まぁ男女の営みというか、そういうなので巴との間に子どもも出来たしな。

願わくば、この幸せがいつまでも続くように・・・・




















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