恋愛・Epilog












夕樹Side












「レージィッ!!」

私は、レージに向かって叫んだ。
私の声を聞いて、レージはこちらへと振り返る。
頬にはシップみたいなのが張られており、レージは優しい笑みで私を見つめている。
少しだけ息を乱していた私は、大きく深呼吸をして、彼の顔を見た。
あの時と変わらない顔、私と付き合っていた頃と同じ顔。
笑顔で居れたあの時と同じ顔。
私が大好きな、レージの笑顔。

「レージ・・・」

「なんだ、夕樹?」

「置いてかないで・・・私を置いてかないでッ!! 私、レージのそばにずっといたい、これからもずっとずっと・・・」

私が全てを言い終える前に、彼は私の体を抱きしめていた。
痛いくらいの抱擁。
だけど私は、不思議とそれが心地よく思えた。
彼も私と同じだったのだ。
涙が頬を伝う。
レージも泣いていた、二人で時間が過ぎるのを忘れて泣いた。
気付けば、レージが乗るはずだった飛行機が出た後で、電話でマネージャーさんに説教されてた。
運良く次の便に空きがあり、ビジネスクラスで北海道の千歳空港へと行くことになり、時間はかなり空いている。

「夕樹、散歩しようぜ? 外はこんなに晴れてて、良い天気なんだしよ」

「でも・・・また、乗るのに遅れちゃうよ?」

「4時間近く時間が空いてるんだ、大丈夫さ」

少しだけ、焦ったような笑みを浮かべて、私の手を取った。
空港の外に出ると、頬を優しくなでる穏やかな風が吹いていた。
青い空が・・・どこまでもどこまでも広がっていた。
私達は別れを惜しむように、その空の果てを見つめていた・・・・
風が吹く。
優しく、柔らかな風が吹いて私達の頬と、髪を優しくなでる。
何時までもこうしていたい。
だけど、レージは行かないといけない。
話によれば、北は北海道、南は沖縄まで行くらしいけど・・・身体持つのかな?
何気ない会話の後、レージに携帯のアドレスと番号を教えてもらい、レージの乗る便の時間が近づいてきた。

「ん、もうこんな時間か。 さぁってと・・・夕樹、いつでも電話してきてくれよ?」

「うん、わかった」

「んじゃ、また今度な」

「行ってらっしゃい、零慈」

私は彼の背を見送りながら、手を振った。
その日から数週間後、私の家にレージが来た。
ちゃんとした正装をしており、手にはお茶菓子も持っている。
金髪だった髪の毛を染め直したのか、真っ黒になってた。
何とかお父さんを説得して、結婚を前提に同棲したいって言ったときは、ホント驚いたな・・・
でも・・・弥生さんをレージが送り迎えするのはちょっと、納得いかないかな?
朝起きて、レージがあどけない寝顔で、眠っている。
私は微笑みを浮かべて、その顔を見ている。
私の手を握ったまま寝ているレージ。


























もうこの手を離さないでね。

私の想いは、あの頃と変わらない。

私の願いは、レージと一緒に未来を歩むこと。

そして、私の幸せは・・・レージ、何時までも貴方と一緒に居ること。

ただ、それだけ。

あの時から変わらない想い、そして変わらない願い。

だから今は、ありがとう、って言っておくね。

ありがとう、私の・・・大好きな人。














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